WordPressの主権時代は終わる？AIコーディングが変えるWeb開発の未来

WordPressは現在、世界中のサイトの約43%を占める圧倒的なシェアを誇っている。しかし、先日のバイブコーディングの実験を通じて、私はある疑問を抱いた。果たしてWordPressの主権時代は終わりを迎えるのではないだろうか？

WordPressが抱える根本的な問題

テーマやプラグインへの過度な依存

WordPressの最大の魅力であり、同時に最大の弱点となっているのが、テーマやプラグインへの依存だ。私自身も何度も経験したが、プラグイン同士の衝突や、アップデートの失敗によるホワイトアウトは、エンジニア以外には未知の領域だ。

原因の特定はもちろん、修正作業も非常に困難な場合がある。特に、クライアントから「サイトが真っ白になった」という連絡を受けた時の焦りは、経験した人にしか分からないだろう。

技術的な障壁の高さ

WordPressの技術的な問題は、非エンジニアにとっては完全にブラックボックスだ。PHPの知識、データベースの理解、サーバー設定の知識など、必要なスキルが多岐にわたる。

これに対して、バイブコーディングなら「エラーを直して」「セキュリティを見直して」などの指示だけで、問題を解決できる可能性がある。これは画期的な変化だと思う。

AIコーディングがもたらす革命的な変化

メンテナンス作業の簡素化

レイアウトの修正やメンテナンス作業も、AIコーディングなら一言の指示で済むようになる。例えば「ヘッダーの色を変更して」「ボタンのサイズを大きくして」といった自然な指示だけで、コードが自動生成される時代が来るかもしれない。

レスポンシブ対応の歴史的教訓

スマートフォンが普及する前、レスポンシブ対応なんて概念はなかった。しかし、スマホの普及とともに、どのサイトもこぞってレスポンシブ対応を行った。この移行にかかったコストは莫大なものだった。

私も当時、既存のサイトをレスポンシブ対応に変更する作業を何度も経験したが、CSSの書き直し、レイアウトの調整、テスト作業など、想像以上に時間とコストがかかった。

もし、AIによる簡単な指示で「スマホ対応して」と言うだけで修正が完了するなら、それは本当に画期的な変化だ。

現在のAIコーディングの限界と可能性

完璧ではない現状

ただし、現在のAIコーディングはまだ完璧ではない。最終的な確認は人間が行う必要がある。私の実験でも、AIが生成したコードに細かいバグや不具合が含まれていることがあった。

しかし、技術の進歩は驚異的だ。1年前と現在を比較しても、AIの精度は格段に向上している。この進歩スピードを考えると、近い将来には人間の確認作業も最小限で済むようになるかもしれない。

WordPressの強みは残る

WordPressには、豊富なテーマやプラグイン、大きなコミュニティ、SEOに有利な構造など、多くの強みがある。これらの価値は、AIコーディングが普及しても完全に失われることはないだろう。

特に、コンテンツ管理システム（CMS）としての機能は、AIコーディングでは代替しにくい部分がある。

エンジニアに求められる新しいスキル

AIとの協働能力

これからのエンジニアには、AIとの協働能力が求められるようになる。AIが生成したコードを適切に評価し、必要に応じて修正するスキルだ。

また、AIに適切な指示を与える能力も重要になる。曖昧な指示では期待通りの結果が得られないため、明確で具体的な指示を出すスキルが必要だ。

問題解決能力の重要性

技術的な実装はAIが担当するようになっても、問題の特定や要件の整理、ユーザー体験の設計など、人間にしかできない部分は残る。

むしろ、これらの能力はより重要になるだろう。技術的な障壁が下がることで、より多くの人がWeb開発に携われるようになり、競争も激しくなる。

まとめ：変化を受け入れる姿勢が重要

WordPressの主権時代が終わるかどうかは、まだ分からない。しかし、AIコーディングの技術が進歩することで、Web開発の風景は確実に変わっていくだろう。

重要なのは、この変化を恐れるのではなく、積極的に受け入れる姿勢だ。新しい技術を学び、活用することで、より効率的で創造的なWeb開発が可能になる。

私自身も、バイブコーディングの実験を通じて、AIの可能性を実感した。完璧ではない現在でも、十分に実用的なレベルに達していると感じる。

これからのWeb開発は、人間の創造性とAIの技術力が融合した、新しい時代を迎えることになるだろう。その変化を楽しみながら、積極的に取り組んでいくことが、エンジニアとしての成長につながると思う。